完全非弾性衝突
うつろひゆく、うたかたの情熱。 言の葉一旦書きつれば、その迸り、抑え難し。

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清々しい秋の一日

1:30頃あなたの棲家に到着。マンションの中にすら足を踏み入れず、直ぐにクルマであなたを拉致。

向かった先は、神田のまつや
見渡せば、蕎麦に対するリスペクトの基本レベルが高そうな老若男女が、一心不乱に蕎麦をかき込んでいる。おばちゃんたちもキビキビと動き、繁盛している店特有の活気に溢れている。
待つこと10分ほど。運ばれてきた冷たい「もり」を早速頂く。甘めの汁が細い蕎麦によく絡み、とても美味。昔ながらの堂々とした店構えから想像される「素朴ながら落ち着いた味」というよりは、どちらかと言うと「時代の流れに合わせ常に味を進化させてきた最新作」的な味。新鮮な驚き。また、フワフワとろろの美味いこと! すっかりファンになってしまった。今度は天丼も食してみようじゃないの。

満腹になったところで、神保町界隈をプラプラと歩く。最近「ハチミツとクローバー」で登場してブームの拍水堂、錦華公園、漱石が通った小学校、天ぷらやとんかつのいもや、上海蟹喰うなら新世界菜館、欧州カレーのボンディ。。。

俺が過ごし、愛した街。こうしてあなたを案内するのを、あなたは少しも嫌がらず、寧ろ眩しそうに見ていた。
俺は、きっと「故郷」を持っていない根無し草だから、過ごした時間の記憶とともに、その街をタイムカプセルに閉じ込め、耽溺してしまうのだろう。
吉祥寺しかり。下北沢しかり。
職場があった人形町界隈や築地もまたしかり。

神保町散策からあなたの棲家に戻ったのが4pm。あなたの様子がおかしい。ソワソワいそいそと何やら準備している。物置の奥から引っ張り出した巨大な「ゆで卵製造機」に足を入れろという。ジャクージのように底からブクブクと泡が出て、足の裏を心地よく刺激する。はぁ。お次は脹脛(ふくらはぎ)揉み解しローラー。素足で使用しないでって書いてあるのに、構わずあなたは乗っけろと言う。結構気持ちいい。
さて、膝下が解れたところであなたは俺をベランダに誘う。そこにはゴザが敷いてあって段ボールの即席テーブルと枕が綺麗に並べてある。何が何だか分からず俺があなたを振り返ると、ここはバリよと言って悪戯っぽく笑っている。そのうち全身に乳液をつけてマッサージを始める。棲家から一歩も出ないのに晴れたらいいなぁと連発していたのは、このことだったのかと漸く合点が行く。ビールを飲み、フルーツを頬張りながら目を閉じると、本当にそこはバリさ。涙が出そうだ。

寒くも暑くもない、この季節にしか出来ない企画。それをあなたはずっと暖めていて、俺の意向を否定して傷つけることなく、俺の気紛れの合間を縫って実現させたんだ。
何てことだ。
俺はこんなに想われている。何てしあわせなんだろう。
世間に何人の敵が居ようが、いや、世界の全てが敵であったとしても、俺にはこの女が居る。

思わず抱きつき、そのついでに唇を吸う。嫌が上にも盛り上がるエロティックな気分。そんなにモゾモゾ動いちゃ流石にヤバいんじゃないのかタオルケット掛けていてもさ。
それならウチの中でしましょとあなたは言う。自分は月光仮面だから俺のモノを握っているだけなんだけど、でも既にイきそうになって目を潤ませている。
ベッドまで雪崩れ込んだ二人は、お互いに相手の敏感なところを舐め回す。あなたはおっぱいの刺激だけで、もはや恍惚。最後は、俺があなたの太股にペニスを押し付けてイった。あなたもしっかり絶頂だった。この女は身体でイくんじゃない、心でイくんだ。

俺がしあわせの絶頂でうとうとしているのを尻目に、あなたは夕食の準備をしてくれた。エリンギと蓮の油炒め。温野菜だね。ご飯のおかずは手製のメンチカツとジャガイモ。美味しい牛肉の味がキチンとしている。ちょっと家庭的というよりプロっぽい仕上がりだよこれは。すごいね。

早く帰んなきゃ駄目よと俺を追い出すあなたは、同時に、ふと去来する寂しさに耐えられないような表情に、その美しい顔立ちを歪める。
それを見る俺は、この女が愛しくて堪らない。
凄く強い感情と、その強い感情をもコントロールしようとする、より強い意思。
この女はすごい。
こんな女はこれまで居なかった。
感情の迸るままに制御不能な痴態を晒すか、意思の前で感情を殺してしまうか、どちらかであった。

秋はいろんなことを感じ、考えるのにいい季節だ。
俺とこの女の関係も、深まっていく。


テーマ:大好き。 - ジャンル:恋愛

  1. 2006/10/14(土) 23:57:15|
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